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接客に向いてる向いてないは【あまり関係ない話】

接客に向いてる向いてないは【あまり関係ない話】
「接客 向いてない」で検索すると、向いてない人の特徴なんたらってやつが多くて、中見るとその特徴が列挙されてて、最後は転職おすすめ!って内容ばかりですよね。

いい加減飽きますよね?

そういうのは見飽きたよ!って方向けに、本記事を書いていきたいと思います。

本記事を書いている私は、上場企業の小売りの現場で10年以上の経験があります。今は店長です。

接客に向いてる向いてないはあまり関係ない話

接客に関わらず、仕事なんて向いてる向いてないを挙げたら、業種や職種に関係なくいくらでも出てくると思います。一言で言ってキリがない。

向いてないからダメかというと、そうではないと思います。

たぶん私も接客には向いてないです

よくある、向いてない理由何選みたいなところにありそうな、例。

・人見知り
・融通が利かない
・気が弱い
・短気で怒りっぽい
・ストレスに弱い
・プライドが高い
・緊張しやすい
・口下手
・気配りや配慮ができない
・マニュアル対応しかできない
・せっかち

ぶっちゃけ、上にあるようなのは、接客に限らず他の仕事でも、ほぼほぼデメリットにしかならないと思います。

だから接客に向いてないってことと、ほとんど関係ないかなと。仕事で人と関わる以上、大なり小なり上のような能力が関わってくるって話です。

私の場合

・人見知り ⇒ 慣れるまで、あまりペラペラとしゃべれない場合が多い ×

・融通が利かない ⇒ 場合によっては頑固 △

・気が弱い ⇒ 基本気が強いけど弱い場合もある △

・短気で怒りっぽい ⇒ まさに ×

・ストレスに弱い ⇒ これは仕事で鍛えられました 〇

・プライドが高い ⇒ まさに ×

・緊張しやすい ⇒ まさに。最終最後たまに開き直れる時がある △

・口下手 ⇒ これは違うかな。ただ仕事中とプライベートは全然違う 〇

・気配りや配慮ができない ⇒ 気付きはある方 〇

・マニュアル対応しかできない ⇒ これも違う 〇

・せっかち ⇒ まさに ×

〇が4コ、△3コ、×4コ。まぁこんなもんでしょう。こんな私でも10年以上続けられてます。つまり何が言いたいかというと、これ全部「〇」の人なんか基本いないってことです。

ようするに、誰でもいくつか該当しそうなものをいっぱい並べておけば、なにかは「×」になり、向いてないよ認定して転職すれば?って勧めてるだけですね。

胡散臭い占いの類と同類。

向いてる向いてないより重要なこと

昭和っぽいですが、一言でいって「やる気」ですね。仕事に取り組む姿勢です。

根性論ではないです。

例えば、接客業なら身だしなみに気をつかう(これは基本当たり前だができてない人はできてない)、挨拶をがんばってみる、とか。

これも超キレイにしろとか、超大声出せって話ではありません。

その人なりの出来る範囲でやれば良いってことですね。背伸びする必要はなくて「あぁ気をつかってるんだなぁ」が相手に少しでも伝わればOK。伝わらない場合は、工夫をして伝える努力をする。

それで、まったく伝わらないってことはないはずです。

夏場なんてぶっちゃけ臭い人多いです。スタッフでもお客さんでも。ただ体質の部分もあるのでしょうがないこともありますよね?

風呂に毎日入る、服を洗濯する、臭いと自覚して消臭スプレーを使う、その程度で充分です。それすら出来てないなって一発でわかる人が何人いることか。

接客業に向いてなくても、できない理由にはならない

仮に、上のような例にいっぱい該当するから「接客は無理ゲー」って思うかもです。

そんなことはありません。

おおむね改善可能なことばかりだから

なぜなら、ほとんど改善できるか、もしくは誤魔化すことが出来るので。

改善といっても「性格を変える」とか100%無理なので、そうではなくて相手に悟らせない技術を磨くとか、言葉(言い回し)で取り繕うとかやり方は色々あります。

真の意味での改善なんて(できれば理想ですが)する必要なし。つまりお客様を不快にさせなければ、最低限要求は満たしています。

こう書くと、あなたはバイトで入社して、正社員になって店長までやってるから出来るんでしょ?って思われる方もいるかもしれません。

しかし、私も過去には幾度となくクレームをもらい、スタッフともお客様とも喧嘩し、それでもめげずにやってきたからある程度出来るようになったってだけの話です。

そもそも何事も、始めてからちょっとやったくらいで出来るようになる、なんてことの方が少ないんじゃないでしょうか。

それでも続けてる人はたくさんいる

これまで色々なスタッフを見てきましたが、客観的に見ても明らかに接客向きじゃないなこの人はってスタッフも何人も見てきました。

お客様に対して気配りが足りない、物言いがキツい、所作が雑など、挙げればいくらでも出てきます。じゃあこういう人がみんなダメかっていうと、そんなことはありません。

違う側面で見ると、商品知識がズバ抜けてて感謝されてるとか、愚直なまでに素直で人受けはいいとか、そういう良い部分もたくさんあります。

別のやりがいを見つけるでもいい

接客にばかり目を向けず、他を見るのもアリです。

例えば私は、家の掃除はしませんが、売場の商品は明らかに掃除をしている、という自負があります。単純に埃が嫌いってのもありますが、お客様が商品を手に取った時、ザラついたらイヤですよね。

それに埃がついてていかにも売れてないってのより、見た目が綺麗なことに越したことはない。

他のスタッフもほとんど気付いていないし、誰にも褒められたことはないですが、ずっと続けています。これだって立派な貢献じゃないですか?

自分が大昔からこれを続けてこられたのは、そういった思いがあったからです。小さいことですが、やりがいの1つにはなっていると思います。

向いてなくてもできるんです

物には見方ってのがあります。

例えば、冒頭の向いてない理由にあった「融通が利かない、マニュアル対応しかできない、ストレスに弱い」などは、突っ込みどころ満載です。

融通が利かない、マニュアル対応しかできない

バイトという立場だったら

バイトがお客様にクレーム入れられ、値引き要求を断りお客様を怒らせたとします。クレームの理由はお客様都合だったとします。
店側からみたら「マニュアル通り断ったな、えらい!」
一方お客様側からみたら「融通利かないわね!」

責任者という立場だったら

上と同じ理由で、責任者として値引き処理をしたとします(このまま揉めると面倒なことになりそうだったとかの理由で)。
マニュアル対応ではなく臨機応変に対応し、融通もきかせた。まぁ問題ないでしょう。

しかしバイトで責任者と同じことをしたら・・・

店「なに勝手なことしてんだ!マニュアル通りやれ!」店長に怒られます。
客「融通利かしてくれてありがとう!」お客様には感謝されます。


つまり立場がバイトだと、話の整合性がとれないんです。だから上にあるような「融通が利かない、マニュアル対応しかできない」などは、立場や職権によっても変わってくるという話です。

ストレスに弱い

ストレスがない職場ってあるんでしょうか。仮に相手がお客様じゃなくても、会社の社内の人間や取引先、それこそ機械に対してだってストレスを抱きます。

ストレスに強いか弱いかなんてのは、結果的にその人がやれてるのかやれてないのか、でしか計りようないですよね。

どの職場もですが、ストレスに弱い人が向いてないのではなくて、そのストレスとどうやってうまく付き合っていくか、が本質かと思います。

100人いたら100人が満足する接客はありえない

冒頭の向いてない理由、全部該当しない(全部〇の人)スーパーマンがいたとしましょう。

それでも、その人が接客しても不満に思うお客様が必ずいます。

結論からいって、生身の人間を相手に100%はありえません。万人が満足する接客などありえないからです。接客を経験したことある人なら、全員知っていることです。

お客様の性格や気分、体調、その時の持っている時間にもよるでしょう。接客する側の態度や見た目、性別、年齢、仕草にもよるでしょう。

但し、100人中95人が満足する、100人70人しか満足しない、というケースはあります。限りなく100に近づける努力は必要かもしれません。

でも無理は禁物

ここまで向き不向きはあまり関係ないと述べてきました。

ですが、努力でカバーできる部分ももちろんあると思いますが、体や心が悲鳴を上げているのに、無理して続けるのはおすすめできません。

それは本人にとっても、お客様にとっても、会社にとっても、誰も幸せになれないような気がします。

向き不向きで判断するというより、自分と向き合い「その仕事はどうなのか?」と問いかけ、答えを出すのが、一番ベストなんじゃないかと思います。


(注意事項)
ここではあくまで、機械的接客に近い職場の話です。接客といっても、機械的か対面で時間を使う接客かによっても方向性は大きく違います。すべてがこういう話ではないとだけ付け加えておきます。